外壁タイルの浮き原因と3つの補修方法!管理組合向け基準

マンションやビルの外壁タイルが浮いているのを発見した際、「放置して剥がれ落ちたらどうしよう」「もしかして手抜き工事(施工不良)なのでは?」など、疑問や不安を抱えている人もいるでしょう。


外壁タイルの浮きは重大な剥落事故につながる危険なサインですが、原因が経年劣化なのか施工不良なのかを正しく見極めることで、適切な修繕ができるだけでなく、場合によっては無償での補修が可能になることもあります。


この記事では、タイルの修繕や点検を検討している方に向けて、外壁タイルが浮く原因から、責任を判断するための「浮き率の基準」、具体的な調査・補修方法までをわかりやすく解説します。


建物の安全性に不安を感じているオーナー様やマンション管理組合の方はもちろん、将来の大規模修繕に備えたい方にもわかりやすく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。


■外壁タイルが浮く原因

外壁タイルが浮くトラブルは、建物の美観を損なうだけでなく、剥落(剥がれ落ちること)による重大な事故を引き起こすリスクがあります。なぜ壁から浮いてしまうのか、主な要因を見ていきましょう。


・経年劣化による接着低下

建物は日々、雨風や紫外線の影響を受けています。タイルを貼り付けるモルタル(セメントと砂を練った接着材)は、築年数の経過とともに劣化します。特に日差しを強く受ける南面などは、昼夜の温度差による膨張と収縮が繰り返され、接着力が徐々に低下します。


こうして期間が経つうちに下地のコンクリートとタイルの間に隙間が生じ、浮きが発生します。定期的な点検と修繕工事を行うことが安全対策として必要です。


・新築時の施工不良

築年数が浅いにもかかわらずタイルが浮く場合、新築工事での施工不良が原因である可能性が高いです。例えば、コンクリート表面をわざと粗くして接着を良くする「目荒らし」という工程が不足していたり、タイルの裏面にモルタルが十分に充填されていなかったりするケースです。


材料の配合ミスや貼り付け時の押し込み不足といった不具合があると、短い期間で広範囲にわたる浮きや剥離が起こります。


・地震などによる躯体変動

地震の強い揺れなど、外部からの力が原因で浮くこともあります。大きな揺れによって躯体(建物の骨組みとなるコンクリート部分)が動くと、表面のタイルがその動きに耐えきれず、接着面が剥がれてしまいます。


また、躯体にひび割れが入ると、そこから内部へ雨水が侵入してタイルを押し上げる原因にもなります。地震の後は、外壁に異常がないか打診などによる確認を実施することが大切です。


■浮き率の基準と瑕疵責任

外壁タイルの浮きを発見した際、「これは通常起こる劣化なのか、それとも工事のミスなのか」が一番の悩みどころです。ここでは、責任の所在を判断するための客観的な数値や、修繕にかかる費用負担のルールについて見ていきます。


・BELCA基準の浮き

外壁タイルの浮きの評価では、BELCA(公益社団法人ロングライフビル推進協会)の技術資料などが参考にされることがあります。


ただし、施工不良か経年劣化かは、浮き率だけではなく建物の築年数や施工状況、浮きの発生位置などを総合的に判断します。


・施工不良の保証期間

タイルの浮きが施工不良によるものだった場合、いつまで無償で直してもらえるかが重要です。一般的に、新築マンションには「瑕疵担保責任(契約不適合責任)」というルールがあり、引き渡しから10年以内であれば売主や施工側に修繕を要求できます。


また、築10年を超えていても、建物に重大な欠陥がある場合は「不法行為責任」として、最長20年目まで賠償や補修工事を求められる場合もあります。


■タイル浮きの調査方法

タイルの浮きは表面を見ただけでは判断が難しいため、専門的な方法で建物の状態を正確に把握する必要があります。修繕工事の規模や費用を決定するための、代表的な2つの調査方法について解説します。


・打診による音の確認

打診(だしん)とは、先端に丸い金具がついた専用のテストハンマー(打診棒)で壁の表面を滑らせたり、軽く叩いたりして、音の違いから内部の異常を見つけ出す伝統的な調査方法です。


コンクリートとしっかり接着している正常な部分は「カンカン」と高く澄んだ音が鳴りますが、下地から浮いている部分は内部に空気の隙間があるため、「ポコポコ」「カラカラ」といった鈍く低い音がします。


経験豊富な職人の手と耳で確実に不具合を特定できるのが大きなメリットです。ただし、マンションやビルの高層階など手が届かない場所を調査するには足場を組む必要があり、追加の費用や期間がかかる点に注意が必要です。


・赤外線カメラ調査

赤外線調査は、特殊なカメラで建物の外壁を撮影し、表面温度のわずかな違いから浮きの位置を特定する近代的な方法です。タイルが浮いている部分は内部に空気の層ができ、太陽の熱が逃げにくくなるため、正常な部分よりも表面温度が高く映ります。


近年ではドローンに赤外線カメラを搭載して上空から実施するケースも増えました。この方法なら足場を組む必要がなく、安全かつスピーディに調査を完了できるのが最大のメリットです。


マンション全体の状況を広範囲で素早く確認でき、色分けされた分かりやすい画像データとして報告されるため、専門知識がない方でも建物の状態を把握しやすいという利点があります。


■タイル浮きの補修方法

調査によって不具合の箇所が特定できたら、次はその状態に合わせた修繕を行います。被害の拡大を防ぎ、建物の安全を取り戻すための代表的な補修方法を解説します。


・エポキシ樹脂注入工法

エポキシ樹脂という強力な接着剤を、浮いている部分の隙間に注入して固める工法です。タイルの目地(つなぎ目)にドリルで小さな穴を開け、そこから注射器のような専用の器具で接着剤を流し込みます。


タイルを剥がさずに元の状態のまま固定できるため、外観を損なわず、工事の期間や費用も抑えられるのが大きなメリットです。比較的軽度の浮きに対して、安全を確保するためによく実施される標準的な補修方法です。


・ピンネット工法

浮きが広範囲に及んでいる場合や、下地のモルタルごと剥がれ落ちる危険性が高い場合に採用される強力な工法です。外壁全体を特殊なネット(網)で覆い、専用のピン(金具)を壁の深い部分まで打ち込んで固定します。


その上からさらに材料を塗り重ねて面全体を補強するため、将来的な剥落事故を高い確率で防ぐことができます。大がかりな工事になるため足場が必要となり費用はかかりますが、建物の寿命を延ばす根本的な修繕として非常に有効です。


・DIYによる部分補修

手の届く範囲の玄関タイルなど、ごく一部の浮きであれば、ホームセンターで手に入る材料を使って自分(DIY)で直せる可能性もあります。市販の接着剤や目地材を使って隙間を埋めることで、一時的な応急処置が可能です。


しかし、高所での作業は落下事故の危険が伴い、マンションの外壁など共用部分を勝手に補修することは管理規約違反になる場合もあります。


根本的な原因解決にはならないため、あくまで自己責任での一時的な処置にとどめ、最終的には専門の施工企業へ相談して確実な補修を実施することをおすすめします。


■まとめ

外壁タイルの浮きは、経年劣化や新築時の施工不良、地震による躯体へのダメージなど、さまざまな要因で発生します。


放置すると重大な剥落事故につながる恐れがあるため、打診や赤外線カメラなどによる正確な調査と、エポキシ樹脂注入やピンネット工法といった状況に応じた適切な補修が不可欠です。


また、浮き率の基準によっては売主に責任を問えるケースもあるため、自己判断で放置せず、まずは専門の施工業者に客観的な診断を依頼することが、建物の安全と資産価値を守る第一歩となります。


■外壁タイルの浮き調査・補修はアキトへお問い合わせください!

株式会社アキトは、埼玉県越谷市を拠点に東京・埼玉・千葉・神奈川の関東一円で、マンションやビルの大規模修繕から小規模な修繕工事まで幅広く手掛けています。


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